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細胞療法はこの10年間で目覚ましい進歩を遂げました。造血幹細胞移植の経験の蓄積や、遺伝子組換え、ゲノム編集、免疫学、免疫療法、幹細胞生物学、疾患発症機序の理解、細胞療法薬の製造などの進歩の活用により、現在進行中の数百もの臨床試験によって大きな進歩がもたらされています。今では、特定の白血病やリンパ腫の治療薬として、組換えキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法薬(CAR-T)が市販されています。現在治験が行われている細胞療法薬は、さまざまな血液悪性腫瘍を対象としています。急速に進化している細胞工学・編集技術を利用し、多くの種類の自己細胞や同種細胞を用いて、固形腫瘍、自己免疫疾患、移植片対宿主病(GvHD)、遺伝性疾患、神経変性疾患などを対象とした試験が行われています。
治療のあらゆる段階で細胞の表現型と多様性を明らかにし理解する必要があるというのが、細胞療法の共通のテーマです。具体的には以下が含まれます。
- 患者ごとの疾患の特性評価と予測バイオマーカーの開発
- 患者から分離した細胞の特性評価と、評価結果の細胞療法薬製造への利用
- 候補細胞療法薬のin vitroおよび前臨床モデルでの検討
- 細胞療法薬の製造工程の開発と最適化
- 細胞製剤の出荷試験
- 細胞療法薬や注入後の治療効果をモニタリングするためのツールの開発
BD Biosciencesは、細胞サンプルの特性を深く理解して発見につなげるシングルセルマルチオミクス・ハイパラメーター解析・インフォマティクスのための研究ツールを提供することで、このプロセスの各段階をサポートしています。
Utilizing T Cells and NK Cells for Cell Therapy Research
T細胞療法
抗体由来細胞外受容体とT細胞由来細胞内シグナル伝達領域が組み込まれているCAR-T細胞は、特定の種類の白血病およびリンパ腫において説得力のある結果をもたらしており、再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫および急性リンパ性白血病の治療薬としての販売承認を取得したCD19 CAR-Tもあります。またこの技術は、CD-19、CD-20、CD-22、CD-30、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とする複数の臨床試験において、B細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)、B細胞性非ホジキンリンパ腫(B-NHL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫に対する効果も期待できることが中間結果で認められており、このほかにも多くの標的について検討が行われています1。T細胞が、ウイルスベクターを介してCARを発現し、特定の標的抗原を認識できるように遺伝子組換えされています。その結果として生じるT細胞の活性化を利用して腫瘍を排除します。PD-1やCTLA4に対するモノクローナル抗体などのT細胞標的免疫調節薬が、臨床試験においてCAR-T細胞と併用されることがあります2。以下に、(CAR)T細胞療法の一般的なステップを示します。
ステップ1:T細胞の採取
白血球除去により患者のPBMCを採取した後、濃縮によりT細胞を分離し、その他の細胞(B細胞、単球、好中球、樹状細胞、混入した腫瘍細胞など)を除去します。
ステップ2:(CAR)T細胞の生成
CARまたはその他の検討対象の修飾を含むウイルスベクターを形質導入してex vivoにてT細胞を修飾します。
ステップ3:(CAR)T細胞増殖とQC試験
次に、(CAR)T細胞を規定の細胞培養条件で増殖させ、回収します。CAR-T細胞製剤が製造・出荷と患者への注入のための設定規格に適合していることを確認するため、品質管理試験が不可欠です。
ステップ4:(CAR)T細胞の注入
次に、回収した細胞を患者に投与します。
(CAR)T細胞療法の効果の増強
(CAR)のデザインにはいくつかのレベルの改良が加えられ、ステップごとに治療結果の有効性と安全性が増しました。この第4世代のCAR-Tは、サイトカインを投与して、宿主のエフェクターT細胞を活性化する、あるいは宿主のサプレッサー細胞を妨害してメモリーT細胞を強化するといういずれかの方法により、腫瘍微小環境を調節するというものです。実験段階にあるこれらのサイトカイン産生CAR-Tは、「T cells redirected for universal cytokine killing(TRUCK)」と呼ばれ、各種のサイトカイン(IL-12、IL-15、IL-18、IL-21など)を送達することができます3。
CAR-Tと関連のある組換えT細胞受容体などのT細胞治療も有望です。現在、高度な細胞工学を用いた血液腫瘍や固形腫瘍に対する新規のT細胞療法の開発が進められると同時に、毒性(特にサイトカイン放出症候群や神経毒性)を回避したり、デュアルCARや併用療法で腫瘍の回避機構に対抗したり、腫瘍微小環境内の免疫応答を改善するためにサイトカイン分泌CAR-T細胞で腫瘍細胞殺傷能を高めたり、遮断を防ぐために修飾チェックポイント受容体を追加したり、CAR-T細胞の増殖と持続を維持しつつ細胞の疲弊を軽減したり、免疫原性成分を除去して同種療法を可能にしたりといった試みが行われています。
NK細胞を用いた細胞療法の研究
T細胞以外にもNK細胞が、いくつかのエビデンスに基づき、細胞療法に使用できるものの候補として研究が進められています。NK細胞は自然免疫系の一部であり、適切な自己HLA対立遺伝子と非HLA特異的活性化受容体のレベルのバランスを取りながら正常な自己細胞を保護するようプログラムされています。腫瘍細胞はこのHLA-Iレベルのバランスを操作し、NK細胞の細胞傷害活性をブロックします。HLA-I濃度の下方制御は、「失われた自己」を認識するメカニズムを介して、NK細胞媒介殺傷を誘発することがあります4。この抑制機構には、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)やCD94/NKG2Aなどが含まれ、これらは主要組織適合遺伝子複合体(MHC)クラスI分子を識別することができます。この特性は、ドナーとレシピエント間のKIRとそのリガンドのミスマッチを生じさせる操作を可能にします。このミスマッチは、移植後のアロ反応性を克服するのに有効である可能性があります。この方法は、NK細胞を用いた同種細胞療法に取り入れられています5。CARを発現する組換えNK細胞(CAR-NK細胞)は、臨床試験においていくつかのがん種を対象に検討がなされてきました6。また、活性化NK細胞株NK-92も、培養で容易に増殖が可能、効果的に形質移入できる、NK細胞の制約の一部を解消できるといった理由から、臨床試験において細胞療法への使用が検討されています7。
造血幹細胞移植(HSCT)*
HSCTは、がん患者に対する化学療法・放射線療法後の救済療法としても、また自己免疫疾患患者のための養子免疫療法としても、十分に確立されています。同種HCSTでは、組織適合遺伝子座(HLA)対立遺伝子を適合させることにより、免疫系全体をドナー細胞に置き換えます。最新のイノベーションは、移植片対宿主病のリスクを軽減するための術後補助療法(Treg細胞療法を含む)や、HLA不適合移植の転帰の改善、遺伝性血液疾患を防ぐための正常ドナーHSCTの実施などに焦点を当てたものです。HSCTは以下のステップで構成されます。
ステップ1:幹細胞の動員と採取
幹細胞は、幹細胞微小環境から動員したり、G-CSFやフィルグラスチムなどの因子を用いて末梢血中に動員したりすることができます。これらの因子は移植用幹細胞の数を増やすために用いられます8。その後、幹細胞を採取して保存します。
ステップ2:条件付け
患者の状態を移植に向けて整えるため、条件付け療法を行います。化学療法や放射線療法などの治療を併用して、急速に分裂している悪性細胞などの患者の細胞から骨髄を取り除き、生着の際に必要となるドナー細胞のためのスペースを確保します。このような治療に免疫療法を組み合わせれば、がん細胞によって誘発される免疫抑制を防ぎ、ドナー細胞に対する拒絶反応のリスクを軽減するのに役立ちます9。
ステップ3:健康幹細胞の注入
免疫細胞を枯渇させた後、健康細胞を患者の体内に注入します。
ステップ4:生着と回復
移植後は、患者を観察下に置いて生着の状態を確認し、拒絶反応の徴候が見られないことを確認します。
*BD Biosciencesのフローサイトメトリー関連製品(機器、ソフトウェア、試薬など)は、いくつかの免疫関連疾患に関連するマーカーの検出に用いられる薬事未承認検査に欠かせない要素です。これらの製品は、これらの免疫関連疾患診断用としてFDAの審査や承認を受けていません。分析物特異的試薬。分析特性および性能特性は確立されていません。
References
- Wang Z, Wu Z, Liu Y, Han W. New development in CAR-T cell therapy. J Hematol Oncol 2017;10(1):53. doi: 10.1186/s13045-017-0423-1
- Fins S, Kong W, Williams EF, Milone MC, Fraietta JA. An introduction to chimeric antigen receptor (CAR) T-cell immunotherapy for human cancer. Am J Hematol. 2019;94(S1):S3-S9. doi: 10.1002/ajh.25418<
- Knochelmann HM, Smith AS, Dwyer CJ, Wyatt MM, Mehrotra S, Paulos CM. CAR T cells in solid tumors: Blueprints for building effective therapies. Front Immunol. 2018;9:1740. doi: 10.3389/fimmu.2018.01740
- Minetto P, Guolo F, Pesce S, et al. Harnessing NK cells for cancer treatment. Front Immunol. 2019;10:2836. doi: 10.3389/fimmu.2019.02836
- Karantalis V, Schulman IH, Balkan W, Hare JM. Allogenic cell therapy: a new paradigm in therapeutics. Circ Res. 2015;116(1):12-15. doi: 10.1161/CIRCRESAHA.114.305495
- Rezvani K. Adoptive cell therapy using engineered natural killer cells. Bone Marrow Transplant. 2019;54(Suppl):785-788. doi:10.1038/s41409-019-0601-6
- Romanski A, Uherek C, Bug G, et al. CD-19-CAR engineered NK-92 cells are sufficient to overcome NK cell resistance in B-cell malignancies. J Cell Mol Med.2016;20(7):1287-1294. doi: 10.1111/jcmm.12810
- Karpova D, Rettig MP, DiPersio JF. Mobilized peripheral blood: an updated perspective. F1000Res. 2019;8:F1000 Faculty Rev-2125. doi: 10.12688/f1000research.21129.1
- Zulu S, Kenyon M. Principles of conditioning therapy and cell infusion. In Kenyon M, Babic A, eds. The European Blood and Marrow Transplantation Textbook for Nurses: Under the Auspices of EBMT [Internet]. Cham (CH): Springer; 2018.